所十三の「恐竜漫画描いてます」

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<<   作成日時 : 2007/04/20 03:38   >>

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報道ステーションの丹波竜特集などもあり、このところテレビで恐竜関係の映像を頻繁に目にするような気がして嬉しくなります。

カラーページと3巻の付録記事をまとめて、仕事が一段落したので、一昨日、録画しておいた『本当に強かったのか?ティラノサウルス』とか言う番組を見ました。

大雑把に言えば、J.ホーナー博士が相変わらずのスカベンジャー説支持派、K.カーペンター博士がハンター説支持派に分かれて、最終的には、両説の折衷案で落とす形にするということで、巧くまとめてあったと思います。

一つ気になったのが、冗談とも本気ともとれるホーナー博士の態度。「好きでもないのに仕方なく研究してる」って…まぁ普通に考えれば、いわゆるアメリカン・ジョークってヤツでしょう。…だって、T-rexが嫌いな人に、あれだけ大変な発掘作業(同時に何体も…)はできないでしょ?だいいち、ホーナー博士ほどの人が研究対象にする価値のあるカモハシリュウを捜してたって言うなら、エドモントサウルスしか出て来ないようなマーストリヒト期の地層なんか掘らないでしょ?ってツッコミ入れたくなりますから。

でも、取りようによっては、かなり挑発的な態度です。もしかして、議論を盛り上げるための演技?と深読みしたくなっちゃいました。

テレビ局側の編集のせいかもしれませんが、ラストシーンでは、「この論争で子供達がイメージだけに捕らわれない科学的な見方が出来る様になれば良い」…的な話をしてるし…じゃあ、この『偏屈なジャック・ホーナー先生』も論争の火を煽るためのポーズ?

今さら「腕の長さが短いことに気がついた。」なんて、素人みたいな話を持ち出したりしたのも、わざと隙を見せて素人を議論に巻き込むための戦略だったりして…?

『ユタ』の中で、心に傷を負う偏屈なキャラクターの名前に…と決めた『ジャッコ・ルナール』(Jack ho.rner)でしたが、一杯くわされたのかな?

以前から気にはなってましたが、う〜ん、つくづく興味深いキャラだな、この先生。

この番組で、例のエドモントサウルスの齧られた尻尾がよく見られました。腱の破壊具合はなんか妙(というか、腱の保存状態が良すぎますよね?)ですが、たしかに、子供の頃の怪我には見えませんね。

でも「亜成体までは狩りをしてた説」支持の漫画家に詭弁を弄させれば、どうにでもなります(笑)。

「いや、腰を降ろして休んでるエドモントサウルスを襲ったんだよ!きっと、体の調子が悪い個体だと勘違いして襲ったんだろうね…」とか「ヒョウのように少し高いところに身を隠してて上から齧りついたんだよ!岩の上からひと齧りしたんだけど、跳ね飛ばされちゃったんだろうね…」とかいくらでも手前勝手なシナリオ描けちゃいますもん(笑)。

でも、こういう屁理屈は科学とは言わないんだろうなぁ。


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コメント(17件)

内 容 ニックネーム/日時
ホーナーさんはモンタナのすぐ北にいる僕たちにとっても、色々と謎ですね。
彼特有の言動や行動を「ジャッキイズム」(Jack-ism)と呼んでいて、この手のテレビ番組やフィールドの逸話なんかが話題にのぼると、「ああ、またジャッキイズムやってるな」というところに落ち着いてしまいます。
ドラゴン
2007/04/20 06:12
>ドラゴン君
>「ジャッキイズム」(Jack-ism)と…

ホーナー先生が昔、T-rexの本(『大恐竜』だったかな?)を出した頃から既にハンター説には否定的でしたが、でも、今ほど挑発的じゃなかったと思うんですよね。少なくとも、T-rex
が嫌いな人が書いた本には思えなかった。

年とって、より偏屈になるってのは、ありがちな話でもありますが…なんか、あえてそういうキャラを演じてるように見えるんですよね(笑)。
所 十三
2007/04/20 20:12
ホーナー博士の名が一般に広まったのはやっぱりマイアの事からですから鴨嘴竜探してたって言えばまあわからないでもないんですが…あきらかに本当にティランノが嫌いな人の態度ではないですよね(笑)

地球ドラマチックは常にチェックしてないと突然恐竜のやりますからね、油断なりません。
来週はプレヒストリックパークですね、タイムスリップするムツゴロウさんことナイジェルさんがまた大暴れするんですね(笑)、学術的な話はあまり期待できませんがわりと楽しみです。
夜月十五夜
2007/04/20 21:21
>夜月さん
>学術的な話はあまり期待できませんが…

あれもBBCでしたっけ?BBCの作品は、NHKと比べて、映像だけでも充分楽しめるから良いですね。さすが英国国民から「もっと受信料値上げしても良い!」と言われるだけのことはあります。

NHKのCGが以前より退化した(セイスモサウルスの映像が頂点だったかな?)のは、やっぱり受信料払わない人が増えたからでしょうか?

給食費問題同様、処罰されなければ義務も果たさないんじゃ、NHKがどんな不祥事起こしても、ダメな番組作っても文句は言えません。

これまた同様に、選挙にも行かずに行政や政府に文句言っちゃぁいけませんよね。

『多古西』時代の担当さんに映画の大好きな方がいました。彼はタダで試写会に行けるのに、文句を言う権利を得るために、必ず自腹を切って映画館に行くという信念の持ち主でした。見習いたいものです。
所 十三
2007/04/21 04:48
>マーストリヒト期の地層なんか

いや、ひょっとしたら新発見を狙っているのかも知れませんよ。それにアナトティタンはエドモントサウルス属に入る可能性が高いそうですが、逆に今までエドモントだと思われていたものの中に別属が混じっているということもありはしないでしょうか。その辺もまだ研究価値があると思います。

>齧られた尻尾

結局失敗例であることからティランノはやはり狩りに向かない動物だった……とは言い切れないでしょう。ライオンやトラの狩りの成功率も1〜2割に過ぎないそうですから。

ただ、陸生肉食動物は種族にもよりますが狩りが可能な限界点となる大きさはあったと思います。12メートルにも達してしまうともはや獲物に逃走もしくは逆襲のチャンスを与える隙を見せずに攻撃するのは無理だったでしょう。哺乳類でもトラぐらいの大きさが限界点で4メートル以上になる特大種(アンドリュウサルクスやメギストテリウム)はスカベンジャーだったと考えられています。

逆に水棲動物はメガロドンや現生のマッコウクジラのように大型化がそれほどハンディにならないようですね。
古生物大好き
2007/04/21 19:07
見損ねた・・・
齧られた尻尾は復元のし過ぎとして、ティランノサウルスの狩についてですが、たとえばエドモントサウルスのような大型草食恐竜だと、ティランノが横から背中に顎を引っ掛けて引っ張ったら、横転、骨折して勝負がつくのではないかと最近思うのです。巨体ゆえにすばやく動けない点は、襲われるほうも似たようなものなので短時間でも少しだけ早く動ければどうにかなるだろうし。
まあ、証拠の無い話ですけど。
モルモル
2007/04/21 22:14
ご無沙汰しています。僕も「恐竜好きじゃないよ」と公言して憚らないので,何となくホーナーの気持ちも分からないでもないです。
目の前にある研究対象を「恐竜」としてみるのか、「ただそこにある化石標本」として見るのかで、アプローチのしかたも変わってくるでしょう。「恐竜」というイメージから入ってしまうのは、科学的な態度としては妥当ではないのではないか?という意思表示のような気もします。
僕の中では、好きか嫌いかということと、興味を持っているか持っていないか、ということは同義ではないので、復元画を描く事を苦しみながらも楽しんでいます。
corvo
2007/04/22 02:10
初めて書き込みさせていただきます。いつも所さんはじめ皆さんの博学ぶりに感嘆しつつ読ませていただいております。
私もこの番組見ておりましたが、一つ気になって仕方がない映像がありまして…
添付の写真がちょうどそれなんですが、神経棘(でよろしいでしょうか?)にフェンス状にひっついているものがなんなのか?素人には全くわかりません。
私の周りには詳しい人はおりませんのでたまらず質問させていただきました。
これからも楽しみにしておりますのでお仕事頑張ってください。
じんじん
2007/04/22 07:12
>古生物大好きさん
>いや、ひょっとしたら新発見を狙っているのかも知れませんよ。

そうですね。冷静に考えたら専門外の獣脚類を捜そうとも思ってないでしょうから。たしかに、最初からT-rexを捜してたとも思えませんね。

ホーナー先生だからって、ちょっと穿った見方をしすぎてしまいました(笑)。

所 十三
2007/04/23 03:59
>corvo先生
>「恐竜」というイメージから入ってしまうのは、科学的な態度としては妥当ではない…

なるほど。研究者たるもの、先入観抜きで化石に向き合わないといけないんですね。

あぁ漫画家で良かった!って感じです(笑)。

>復元画を描く事を苦しみながらも楽しんでいます。

これからも是非、苦しみながら楽しんで下さい!期待してます。
所 十三
2007/04/23 04:10
>モルモルさん
>見損ねた…

ホーナー先生もカーペンター先生も特に新しいことは言ってませんでした。

動物行動学か何かの研究で、T-rexが屍体だけ食べて生きられる程の屍体があったのか?そして、T-rexがその屍体を探し出すのに、どれだけの能力が必要か?という研究はこの番組で初めて見ました。

答えは、50m先の巨大な屍体を見つけられる能力さえあれば、生きて行くのに充分な屍肉を摂取することができる…という事でした。

ホントかなぁ?…じゃあ成体に限らず亜成体も含めて、危険な狩りをする理由がなくなっちゃいますね。

モデルにしたのがセレンゲティーかどこかだったと思いますが、一年中そんな屍体のバイキング状態だったんでしょうか?ちょっと疑問です…。
所 十三
2007/04/23 04:37
>じんじんさん

初めまして。

>フェンス状にひっついているものがなんなのか?

あれは、よく『骨化した腱』という表現が使われる腱です。

細い部品なので失われることも多いのですが、実はかなり多くの鳥盤目恐竜の背中や尻尾に張り巡らされて骨を補強していたようです。(曲げる必要のある尻尾の付け根などには無い場合もあります。)

あれが有るおかげで重い体を筋肉で支えるエネルギーが節約できる…という説明もありますが、体の軽いヒプシロフォドンあたりでもちゃんと有ります。彼らはホントに徹底した省エネ型動物みたいですね。

その代わり体の柔軟性はかなり奪われます。腱といってもカルシウムが沈着して化石として残るくらいですから、その硬さもアキレス腱みたいな柔軟な腱とは違って骨と同じくらいの筈です。

鳥盤目の恐竜の多くは、あの骨化した腱のせいで、哺乳類や獣脚類のように体を丸めて眠ることが出来なかったでしょうね。

とても良い質問を頂いたので、近いうちにブログ本編でもこの腱(件?)についてお話させて頂こうと思います。

ありがとうございました。

所 十三
2007/04/23 05:36
>研究者たるもの、先入観抜きで化石に向き合わないといけない

それは確かにそのとおりで、研究者はみんな自覚していると思うのだけど、ホーナーさんの場合「嫌い」ってはっきり言っている時点ですでに先入観が入っているので、そのあたりが「ジャッキイズム」と呼ばれる所以でしょうね。
だって、「嫌いな」ティラノサウルスの骨のセクションを取って、顕微鏡で長いこと見つめて、成長についての論文を書いているんだもの。好きじゃなくてもできることだけれど、「嫌い」までいったらなかなかそんなことできないですよね。「素直じゃないなあ!」って思ってしまいます(笑)。恐れ多いことですけれど。
ホーナーさんの研究って、けっこう地道だからこそ影響が大きいんですよね。だからある程度「好き」というのがないと、なかなか辛抱しきれるものでもないと思います。プロ意識だけだと盾にならないと思うし。
ドラゴン
2007/04/23 07:36
エドモントしか出てこないからこそ別のハドロを探す、というのは逆説的なようでいて古生物学者にとって大事な戦略だと思います。エドモントではないハドロが出てきた時点で、新しいものになるわけですから。そういえばエドモントサウルスはどう種類を分けるのか、すごく問題がある属なので、エドモントサウルスが出てきたとしてもいい標本なら「大当たり」だと思います。
ドラゴン
2007/04/23 07:37
ホーナー博士はマイヤサウラで有名になって日本でも特別展をやったりしました。その時の図録をみると、当時、まだ有名ではなかったカーペンター博士が(作業員として?)バリバリ写っています。
人間模様を考えると、いろいろ複雑・・・。
維都夜潮
2007/04/24 00:45
ホーナー博士は何かと言われているみたいですね。
ティラノ好きな自分としては嫌いと言われると素直に受け取ってあまり良い気分ではなくなったりしますが(笑)
でも流石に宣伝とは言えジュラシックパーク3でスピノサウルスについて無茶苦茶言ってたのはどうかと思いましたね。
フィル・ティペットに「恐竜はヘビのように舌をぺろぺろ出したりしない!」と言って怒っていた頃の彼は何処へ行ってしまったのか・・・
カワタカ
2007/04/24 03:15
地球ドラマチックは、来年4月からはTBSが「悪魔の契約にサイン」の後継番組として放送するそうです。
杉田平和町
2008/12/09 18:49

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