所十三の「恐竜漫画描いてます」

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zoom RSS 本日、佐賀入り

<<   作成日時 : 2011/07/30 06:05   >>

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…というわけで、行ってからも、帰ってからもしばらくは更新してる暇無さそうなので、今のうちに今夏の恐竜関連イベントについて御報告。

…と言っても、日本全国あちこちで大小様々な恐竜関連イベントが開かれていますので、ボクが個人的に多少なりとも関わったり関わりそうなイベントに絞らせて頂きます。


今日からお世話になる佐賀の県立宇宙科学館「ゆめぎんが」の『恐竜展U』については告知済み…ですよね?

明日と来週の日曜日のイベントに参加させて頂きます。



「ゆめぎんが」以外に展示関係でご協力させて頂いたのが、群馬の県立自然史博物館で開催中の特別展。

史上最大の獣脚類スピノサウルスをメダマにしたものですが、恐竜研究の歴史に関する展示の中で、ギデオン・マンテル関連の資料を提供させて頂きました。

『恐竜発見記ー霧の彼方にー』執筆の際に集めたマンテルの著書や英国産イグアノドンの歯の化石です。



それから、中国でもお世話になった福井県立恐竜博物館で開催されているのが『新説 恐竜の成長』と題された、かのジャック・ホーナー先生監修による特別展。

開催に合わせて企画されたホーナー先生の講演会に招待されたので、仕事明けの朝、福井に向かいました。



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ちょっと…いや、かなり無理して駆けつけたのは、滅多に来日されることのないホーナー先生の説に対する疑問でした。

例の「トロサウルスはトリケラトプスが成長した最終形体であり、独立した属ではない」…ってやつですね。


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トロサウルスとされていた角竜の頭骨。フリルに孔が空いています。


フリルに空いた孔は、角竜の原始的な形質(もっとも原始的な角竜の小さなフリルにも孔が空いています)だから、トロサウルスだって子供のうちから空いてたはずだとボクは考えていました。

カエルの子供には魚のようにエラがある…なんてのは極端な例にしても、一般的には子供の方が、原始的な形質をより多く残していますから…。


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トリケラトプスの成長段階に合わせた頭骨。どの標本のフリルにも孔は空いていません。


ですから、フリルに孔の無いトリケラトプスが成体になってから、今更のように子供の特徴が出現するのはおかしい…と思っていたんです。

講演会ではボクが質問しなくとも、このあたりの説明が聞けると思い、眠い目をこすりながら電車に飛び乗りました。

ところがこの疑問。講演を聴く前、展示を見ているうちに自分なりの答えが出てしまったのです。

たぶんそれは、ホーナー先生の意図していたものとは違う答えではないでしょうか。フリルの孔の説明とは関係無い一つの説明文に目が止まりました。

トリケラトプスの角は成長するにしたがい、中が空洞化するので、武器には使えなかったであろう…といういかにもホーナー先生らしい意表をついた仮説。

もちろんボクも例によって鵜呑みにはしません。

「いやいやいや。きっと成長に伴って分厚くなったケラチン質が骨の空洞を補ってあまりある強度を角にもたらしたに違いないだろうから、武器には使えたでしょ?」…と。

骨の空洞は軽量化に必要だっただけで…と。

あ、軽量化…か。

振り返って見たトロサウルスの頭骨には鼻の上の角が見られません(ただ破損して無いだけかもしれませんが…)。…でもきっと此処にはサイのようにケラチン質の大きな角があったんじゃなかろうか。


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この標本の鼻はディケラトプスみたい…。


これも軽量化…だとすれば、フリルの孔は原始的な形質ではなく、あくまでケラチン質でカバー出来るようになった強度が産み出した軽量化の結果なんではないか!?…と。

カスモサウルスのフリルの大きな孔もカスモサウルス亜科で一番原始的だから空いてるんじゃなくて、ただ単にフリルが大きいから…、スティラコサウルスの孔もフリルの周りに延ばした角で重くなった分を相殺するための手段であって、原始的な角竜に見られるフリルの孔とは意味が違うんじゃないか?…って。

そういえばトリケラトプスって、カスモサウルス亜科の中ではかなりフリルは小さい方だし、だから孔が無いのかも…。

講演会では、なぜ成長に伴いフリルに孔が空くのかについて、ハッキリした説明はありませんでしたが、ボクはとりあえず「軽量化」に答えを求めようと思います。

この先、カスモサウルスなど巨大なフリルを持った角竜の子供(まだフリルが発達していない段階の)が見つかって、そのフリルに孔が無かったらボクの仮説も証明されるんですが、子供のうちは「原始的な形質としての孔」が残ってる…なんてことになると、永遠に証明出来ない仮説になっちゃうんですけどね(笑)。

ホーナー先生とは講演の後、軽い挨拶くらいしか出来ませんでしたが、漏れ伝わる「偏屈」…という噂とは大違い。緊張のあまり上手く質問出来ない子供さんに対する優しい眼差しと心遣い。帰国時間が迫る中ギリギリまで、にこやかにサインに応じるサービス精神。

個人的には、まだまだ疑問に思う仮説も多いホーナー先生ですが、魅力的な素晴らしい研究者であることは間違い無いと確信した福井日帰りの旅でした。


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ホーナー先生、トレードマークだったヒゲを剃られたんですね。まぁ、それにしても徹夜明けのむくんだ顔がひどいボクでした(笑)。




上野の『恐竜博2011』に関しては、「恐竜パンテオン」さんはじめ、各種メディアやいろいろな方がレポートされているかと思いますので、そちらにお任せしようかな?…今回は残念ながら関わること出来ませんでしたし…。

ただ一点、今晩の『飛び出せ!科学くん』のワンコーナー「恐竜雑学クイズツアー」では、「ゆめぎんが」でご一緒する尾関さんが『恐竜博2011』をマニアの目から紹介してくれるんじゃないか…な?

ご本人に確認するの忘れてましたけど…。



さぁ、描きかけの原稿抱えて、佐賀に行ってきまぁす!

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
恐竜の成長、行っては見たいんですが福井までぽんと行ける余裕が…(汗)と言う状況で巡回してくれないかなあとちょっと願ってたりします。


トリケラトプスとトロサウルスの頭骨は見比べた事がないので是非見てみたいです。

ところでトリケラトプスのフリル、周りに複数の刺、と言うか出っ張りがあるものと無いものがありますがあれってどう言う違いなんでしょうね?

かつてトリケラトプスが何種もいたような個体差の違い…みたいなものなんでしょうか?
谷月
2011/07/30 10:28
 ホーナー博士の写真を見て、しばし「あっ、真田昌幸だ」と思ってしまいました。(誤解を招く表現ですが)しかしティラノスカベンジャー説やトリケラの成長個体がトロだという説を打ち出すところはトリッキーな戦法で家康を苦しめた昌幸と相通ずるものがあるように思えます。 
 ところで、ホーナー博士は今でもマイアサウラの子育て説を固く信じておいでなのでしょうか?平山先生の「最新恐竜学」では子供の歯のすり減りが孵化前の子供でも見られることから子育て説には疑問が残ると書いてありましたが…。僕の考えではマイアはじめカモノハシ竜のこどもは巣の周りを歩けるくらいには脚が丈夫だった、つまり親は保護する程度で餌をやる期間は渡りができるくらい大きくなるまでであったと考えています。
足立瑛彦
2011/07/31 14:04
行ってきました、群馬県立自然史博物館
みました「所十三氏所蔵」のイグアノドンの歯!
博物館展示クラスの標本お持ちなんてすごいです。この前の中国への化石返却といい、うーん、すごい…

恐竜の夏にお忙しい日々が続きますが、明日あたりからまた暑いようです。体調を崩されぬようご自愛ください。
ピカイア
2011/07/31 22:08
確かトリケラトプスは成長に伴いフリルが大きくなると、首を支点にした前後バランスをとるための軽量化により孔があく。とホーナー博士が説明されてとは思うのですが、僕は講演中睡魔に襲われてまして、あやふやですみません(>_<)

所先生知らない間にいなくなっちゃうんですから(^^)
またどこかでお会いするときはよろしくお願いいたします。
ぱんだ改めdinopanda
2011/08/01 12:35
原稿もって大変ですねー(´・ω・)

好きなればこそ成せる業!

先生!応援してますよ!!(((^-^)))
ちくりん
2011/08/07 22:22
お久しぶりですREO→LEOです(笑)

そういえば知ってらっしゃるかも
しれませんがジュラシックパークの
新作を制作しはじめてるらしいですよ〜

特攻の拓やっぱりおもしろいです。
これからもがんばってください!
LEO
2011/08/09 13:55
2011/9/18に福井へ行ってきました。
恐竜博物館の特別展「新説・恐竜の成長」ももちろん観に行ってきました!

ホーナー先生の説によれば、成長とともに、フリルの骨が薄くなってしまうので、トリケラトプスのフリルを戦いに使えなかったそうで、パキケファロサウルスは、正面から頭突きをすると、衝撃で頭蓋骨に深刻なダメージを負ってしまうので、骨格の構造上、相手に頭に対して、正面から頭突きをする攻撃はありえないということでした。

しかし、所先生の「AL」で描かれた恐竜の姿が好きな自分にとって、ホーナー先生の説は受け入れられないから否定してしまうというのではなく、これはこれで、「一つの可能性」として頭に入れておくと、今後、恐竜の見方が広がって、面白いかもしれませんね。

ホーナー先生も、トリケラトプスは、社会性をもった賢い生き物で、群れで子育てを行って、親たちが肉食竜から守りつつ、食糧を求めてヌーのように移動して生活していた様子までが、想像できるような素晴らしい展示をしてくださったと思います。

今回の特別展で販売されていた図録は、特別展の標本写真がすべてカラーで満載され、解説も恐竜図鑑並みに充実した濃い内容で、ホーナー先生の説が記載されていて、恐竜好きな人なら、恐竜図鑑代わりに一冊買っておいてもいいくらいの価値があると思います。
龍の夢見る鳥
2011/09/19 10:13
佐賀の県立宇宙科学館(ゆめぎんが)では大変お世話になりました。息子の遠足で付いていった恐竜展で、よもや先生に出会えるとは思いませんでした。恐竜展も大変すばらしく面白かったです。子供以上にはしゃぎました。ユタもメチャメチャ面白いです。
じん
2011/10/04 21:30
初めておじゃまします。59歳男性です。

DINO2に収めれていない所先生の恐竜関係の本の事で教えてください。
私の記憶では15年以上前?にA4サイズのDINO?を子供に買い与えた記憶があります。
今は子供が無くしてしまってありません。
私が保管しておけばよかったと後悔しています。

その中の1編はDINO2のBに登場するオフタルモサウルスの話もあったと思いますが、Bと違うのは原始サメに追われた個体が最後は故郷の潮溜に逃げ込み潮の満ち引きでサメを撃退するという話でした。

どちらかで手に入れることは可能でしょうか?

ファーブル
2011/10/10 13:59
ファーブル様へ その作品は『恐竜大紀行』だと思いますよ。
A-10
2013/12/02 10:50
本日、佐賀入り 所十三の「恐竜漫画描いてます」/BIGLOBEウェブリブログ
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