はじめてのファンタジー

漫画家になって20年、今までいろんな漫画を描いてきましたが、ファンタジー漫画らしいファンタジー漫画は『ユタ』が初めてです。

45歳にもなって、初めてファンタジーのドアを叩いた僕が、まず思ったのは、「ファンタジー作家の皆さんって、どうやって固有名詞を創るんだろう?」ということでした。

登場人物や地名…あれって…?皆さんふつうにそれらしいカタカナ並べてるけど、どっから思いつくの?…って。

ボクにとって、日本語的な意味を持たないカタカナを並べる作業が、最初の高い壁になりました。

「ユタ」という名前は、もう、もうプロットの段階で、恐竜公園もある恐竜化石の宝庫、アメリカのユタ州からとったんですが、アメリカの州名だけじゃ後が続かない。

もともと、題名だとか主人公の名前だとか、ストーリー以前の問題で悩むのが一番苦手なボクが思いついた苦肉の策が………地名は、世界中の竜の名前。人名は恐竜にまつわる人々の名前をもじってみよう………ってコトでした。

ナーガ(インド)やヴァジェト(エジプト)、イツァム・ナー(中米)、竜伝説は世界中にあるから、地名は、とうぶん苦労しなくてすみそうです。

カドモスは竜退治の英雄の名前だから、ちょっと異質だけど、フィルはフィル・ティペットさん(カリーじゃないんですよね、これが…)、アンはアンジェラ・ミルナーさん(イギリスの古生物学者。バリオニクスの研究で有名)といった以前、取材でお世話になった方々、バーンはバーナム・ブラウン(100年ほど前に活躍した恐竜化石ハンター。T-rexの発見者としても知られる)、グレゴはグレゴリー・ポールといった恐竜関係者の皆さんから名前を拝借、分解して使わせて頂いてます。

それにしても、ファンタジー作家の皆さんが、どうやって、こういった名前をひねり出すのか?是非、お伺いしたいものです。