所十三の「恐竜漫画描いてます」

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 福井恐竜博物館ご紹介の途中ですが…

<<   作成日時 : 2007/05/18 01:44   >>

トラックバック 0 / コメント 15

コメント欄の常連であるアウラートゥス博士から先週号の『ユタ』について

>平原王国は鎧やテントはモンゴル風でしたが…

というご質問があったので、こちらでタップリご説明させて頂きたいと思います。

たしかに、中生代末の北米と、中世のモンゴル高原とはかなり気候が違います。重々承知しておりますが其処は其れ、お国柄の違いを漫画的にわかりやすく表現するためにモンゴルのデザインを取り入れました。

実は、平原王国の略称である「原国」と「元国」の言葉遊びもあるんですが、欧州から見れば蛮族であったモンゴル騎馬民族のイメージが、「美意識を共有できない」価値観の違う民を表現するのに丁度良かったということもあります。

あと、中世ヨーロッパ的な甲冑を着たコモンズを乗せるには、オルニスではムリそうですが、革素材を多く使った軽い装備のモンゴル騎兵を手本にすればなんとかなりそうですし、そんな軽装備でヨーロッパの騎士達と対等以上にわたりあえたモンゴル軍の強さも原国のイメージにぴったりだったというわけです。

そんなわけで平原王国にはモンゴル的な要素が見られるのですが、アジア的な文化の黄色人種の国…というわけではありません。ユタの国の住人達には、現代ほど明確な人種の差は無いと考えて下さい。せいぜい、ギガスはメラニン色素が多いかも…くらいでしょうか。

それから原国といっても、草原しか無い国というわけではありません。地図には描かれてませんが、里山程度の森はそこここにあります。もちろん草原も、荒れ果てたバッドランドもありますが、モンゴル高原とは全く違いますし遊牧民もわずかです。

もっとも、地図にも描かれるような森国の森こそが尋常な森ではなく、高さが100mを越えるような日本ではお目にかかれない巨木の森なのです。つまり、あの地図の基準で日本地図を作ったら、森を示す木のマークは一本も描かれないことになるわけです。

原国の東には、広大な禁制湿原が広がっています。ここにはマーストリヒト期に入る直前まで北米大陸を東西に分断する海がありました。なので湿原といっても、地中の塩分がしみ出して凝縮した天然の塩田のようなものをイメージしています。そこは木も草も生えない土地。ラムサール条約で守られる価値などまったく無い不毛の湿原…という設定です。

そんなものが実際にあったかどうかはわかりませんが、カンパン期まで東西を隔てていた海はもう無い筈なのに、T-rexは相変わらず北米大陸の西寄りにしかいないし、東側で見つかるドリプトサウルスなどは西では見つからない。この事実は、ただ単に住み分けていた…というにはちょっと不自然な気がするのです。

動物が渡れなかった不毛の土地があったってことにしても良いかな…と。


せっかくですからオマケは福井県立恐竜博物館の展示から…
画像

『ユタ』の背景にもよく使われる中生代のモクレンの一種、アルカエアントゥスの復元模型です。

たしか、この模型の監修をされたのは、『DINO2』でもお世話になった中央大学の西田治文先生だったんじゃなかったかな?

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
ドリプトサウルスは昔どこかで名前を聞いただけで、どこの図鑑にも載っていない幻の恐竜というイメージです。       是非ユタで登場させて欲しいです。      
カンダタ
2007/05/18 19:01
>平原王国のモンゴル的な要素

それだけでなく、古代ギリシアのスパルタっぽくにも見えました。共に極端な軍事優先国家であることからもですが、「美意識を共有できない相手の存在」からもです。スパルタにとってのアテネ、あるいはその逆の如き。

ただしアテネに相当する国はこの世界では見つかりませんでしたね。森林王国も似てはいないし、海運国家の面を持っていたことから海王国かなと思ったのですがここはどちらかというとペルシアに近いようなイメージがしました(ペルシアも親族間の抗争が多々ありました)。

という様に、「ユタ」から古代ギリシア、そして今週号からはローマのイメージを感じたのですが、どんなものでしょう。

>ドリプトサウルス

1860年代と早い時期に発見されたのが逆に仇になり、しっかりした研究がされなかったのかも知れません。それ以降化石が発見されないことも出版物に載らない理由だと思います。

アロサウルス類の生き残りなどと言われていますが、北方に進出したアベリサウルス類ではないでしょうか。
古生物大好き
2007/05/18 21:31
所先生、わざわざありがとうございます!
手前の詮索でレポートを中断させてしまう事になり、申し訳ありません。
いえ、正確には、気になったのは、人々の生活形態と、主要産業なんです。

>「原国」と「元国」
成る程! そこまで考慮してのデザインでしたか!
いえ、先のコメントは、倶楽部で、『平原王国は騎竜民族なのか?』という話が出て、騎竜が出来るまでの暮らしぶりはどうなのか?と幾人かで論議がありまして。そして、装束がモンゴル風なだけに、『遊牧民族国家?』と思われた方もいらっしゃったようで。
前回のあの場面は、あくまで軍の『騎兵隊』で、生活を示すものではないのですね。
そう云えば、オルニスに視界制限用の装備(なんて名前でしたっけ?)を付けている所をみると、やはりナノスほどに騎竜には慣れていない事が伺えますね。
アウラートゥス
2007/05/18 21:45
>禁制湿原
なるほど、今週号に『塩湖』が出ていましたが、塩の湿原ですか。アルカリ湖が点在するアフリカ大地溝帯のような感じでしょうか? そうなるとフラミンゴみたいな翼竜が生息していた可能性とかも? あ、でも、プテロダウストロ型の翼竜やオルニスってこの時期の北米にいましたっけ?
でも、もしそうなら、『禁制湿原』を越えて跳んでゆく姿が『原国』の野心の元になっているのかもと思えたり…
あ、塩が豊富ということは、海王国と平原王国の諍いの歴史は、塩の交易、利権、シェアが絡んできてのことなので? (我々の歴史でも多い事例ですし)
アウラートゥス
2007/05/18 21:48
>森国の森
そうだ、これって是非に見たかったんです! エルフやイウォーク、ウーキーみたいな樹上都市もあるのでしょうか?
考えてみれば、この文明レベルなら、森国は巨木森林の御蔭で燃料と資材に恵まれ、国家としてはかなり貿易の面で経済的優位に立っているのでは、と。
(大航海時代、帆船一隻建造する毎に森一つが消えたと言いますし)
そういえば、今週号で、闘技場の存在が明らかになりましたが、ローマ帝国の闘技場でも、キルクス・マクシムス闘技場までは、皆木造建築だったそうで。そのタイプなら、森国の木材があれば、いくらでも作れますね。
その『闘竜場』! 装甲竜のぶつかり合いはやはりナノスならではですか? 
で、ユタが危うい事になりそうですが、一方でこうなると、『コナン・ザ・グレート』みたいな展開も期待してしまって! (まあ、『戦士コナン』のイメージには明らかにギガスの方がしっくり来ますが…)
アウラートゥス
2007/05/18 21:52
長々と済みませんでしたが、 古生物大好きさんのコメント、『スパルタっぽさ』で思い出したので、最期に一つ。
この間、古代ギリシャの本で、ミケーネの遺跡から出土した、猪の牙で作られた兜。カーブを活かして牙を何本も螺旋状に綴り合わせて円筒形に仕上げた兜なのですが、この猪の牙見たいなパーツが、グレコ隊長の兜についていたので。こういう兜はギガスにはありませんか? (あ、でもあれ、爪ですよね?)
(ちなみにこの兜、『イリアス』の記述にあるアガメムノン王の兜と一致する形だそうで、出土したのも王侯貴族の古墳からだそうです、高貴な身分の軍曹だった事は確からしいですね。)

最期になりましたが、いつも済みません。事に今回はレポートを中断させてしまって。
改めて、ありがとうございました。
では、次の機会に。
アウラートゥス
2007/05/18 22:06
ドリプトサウルスはネットで検索しても中々画像は出てきませんね、PS2のゲーム「ダイナソー」に出てきててちょっと笑いましたが(笑)。
夜月十五夜
2007/05/18 23:10
>ドリプトサウルス

その昔、かのチャールズ・ナイト画伯が描いた絵を見た記憶があります。

二頭のドリプトサウルスがかなり身軽な感じでバトルを繰り広げている絵…でした。

最近読んだ本には基盤的なコエルロサウルス類…と書いてあったかと思います……う〜ん…なんて想像し難いヤツなんだ!(笑)。
所 十三
2007/05/19 03:24
>古生物大好きさん
>アウラートゥス博士

架空の世界ですから、かなり自由にいろいろ取り混ぜて参考にさせて頂いてます。あまり深く考えずに設定したところも有り、突っ込まれると答えに窮します(笑)。
所 十三
2007/05/19 03:31
>ドリプトサウルス
自分も興味があったんですが、
先生や他の方々ですら十分に復元出来ない程の情報しか現状ではないみたいですね。
ユタで登場出来るティラノ科以外で唯一の大型獣脚類だったんですけどねえ・・・
今後の発掘と研究に期待ですね。
カワタカ
2007/05/19 03:53
チャールズ・ナイト画伯によるドリプトサウルス。
http://njfossils.net/meateating.html
維都夜潮
2007/05/19 09:31
ドリプトサウルスについて:
http://www.answers.com/topic
/dryptosaurus
維都夜潮
2007/05/19 09:41
>ドリプトサウルス

しまった!前足の指が3本でしたね。アベリサウルス類の前足は末期のものまですべて指4本でしたからまず可能性なし、失礼しました。

しかし基盤的なコエルロサウルス類と言われても、具体的にどんな種のことなのか、これだけの説明だとはっきり言って適当過ぎだと。

アベリサウルス類といえば、白亜紀末に北米・南米が繋がったにも拘らずこの仲間の化石は北米では歯の一本も見当たらないようですね。南米のティランノサウルス類もまた皆無です。第三紀末の再接続の際にはスミロドンの南進・肉食走鳥類フォルスラコスの北進が生じたというのに。何がこの違いを生んだのでしょうかね。
古生物大好き
2007/05/19 19:20
>ドリプトサウルス

維都先生、情報ありがとうございました。

これを読むと、イギリス産のエオティランヌスあたりの古い形質を持ってるということですかね?

やっぱりこの時点でもまだ、アメリカ東海岸はヨーロッパの動物群の影響が色濃く残っていたんでしょうか。
所 十三
2007/05/20 04:15
>古生物大好きさん
>白亜紀末に北米・南米が繋がったにも拘らず…

ボクもずっとそう思ってたんですが、つい最近聞いたところによると、この頃はまだパナマ地峡は繋ってないらしいんです。

だから泳ぎの得意な竜脚類やハドロサウルス類しか進出できなかったのかもしれませんね。
所 十三
2007/05/20 04:23

コメントする help

ニックネーム
本 文