ポケモンの強さと金子さんの本

10日の朝、『恐竜大陸』会場に向かう「あおなみ線」の券売機に並ぶ長蛇の列にびっくり!

お盆休みでいよいよ『恐竜大陸』も大混雑かぁ!?…っと喜んだのもつかの間、その親子連れのほとんどは『恐竜大陸』の前を素通り、隣の施設のポケモンイベント会場に吸い込まれて行きました(涙)。

聞いた話では、以前幕張で開催したポケモンイベントでは、たいした宣伝もしないのに2~3日でなんと10万人を集めたとか…。『恐竜大陸』の来場者が10万人に達するまでにかかった期間を考えると、なんとポケモンの集客力が異常に強いことか。

まだまだ科学より空想が子供たちの脳を支配しているようで…。

この光景を見て数日前に読んだ、金子隆一さんの『知られざる日本の恐竜文化』という本を思い出しました。

その本の中に「日本の恐竜ブームなんて幻想に過ぎない!勘違いするな!」…といった内容の話があったんですが、まさにその現実を目の当たりにしてしまったという感じです。

金子さんは、この現実にあきれ果て、日本の自称「恐竜ファン」たちに見切りをつけてしまったようなんですが、ボクはそういうわけにはいきません!『ユタ』の存続がかかってますから…(笑)。

…というより、もともと金子さんが相手にしたいのは、真の「恐竜オタク」の皆さん(金子さんが定義するところの第二段階以上?)であり、ボクが目指す、「より多くの方に恐竜の魅力を気づいてもらいたい!」ってレベルとは根本的に対象が違う…というか、ニッチがずれてるんですよね。

それにしてもこの本で「自分は英語が読めない、だとか論文の集め方が分からないなどという泣き言は一切うけつけない。」と宣言されてるくだりは応えました。

『DINO2』連載時、金子さんから膨大な論文のコピーを頂きながら、それが英文であるということで、全く活用できなかった自分をただ恥じ入るばかりです。

あ、もしこの本を読まれた方、勘違いしないで下さいね。本の中に出て来る、金子さんの事務所から論文を勝手に持ち出したり、文献を汚したりしたとかいう不心得者はボクじゃありませんから(笑)。あくまで金子さんのご厚意で頂いたもの…だと…ボクは思ってるんですが…。

でも、この本の中で一番感慨深かったのが「恐竜学最前線」「ディノプレス」の井上編集長の話でした。

かなり前にこのブログの中で、ボクがいかにこれらの雑誌の影響を受けたか、少しだけお話したかと思いますが、その時、ボクには書きたくても書けなかった話、あの雑誌のスタッフにこそお願いしたかった話がしっかり書かれていたのです。

「所さん、スポンサーはなんとかするから、恐竜漫画の話、考えといてよ。」ニッコリというより、いたずらっぽくニヤって感じで笑顔を見せた井上さんのあの顔は憶えていても、「戦死」と表現された一連の流れは、ボクには絶対書けない話だったんです。

編集長の「戦死」を目にした金子さんや維都先生が、あの素晴らしい雑誌を守り育てることの出来なかった日本の自称「恐竜ファン」達に対し、えも言われぬ怒りやある種の失望感を抱いたであろうことは想像に難くありません。

比べることはおこがましいと思いつつ、『DINO2』『ユタ』の売り上げを見て、時々やるせない気持ちになることも事実です。

でもボクはまだ諦めるつもりはありません。井上さんが命を賭けるくらい…それくらい面白い恐竜の魅力を信じて、まずはその魅力に気づいてくれる第一段階を育てることから。

第二段階から上は金子さんたちに任せるとして、その前の段階でいわゆる「裾野を広げる作業」といった、ボクにもできることが、まだあるんじゃないかと思ってるんです。

来年の春は幕張の『恐竜大陸』、各地を巡る翼竜展、再来年は南米恐竜…。金子さんの本にはあまり触れられてませんでしたが、デパートなどでの小さな恐竜展も(『ジュラシックパーク4』の公開に合わせて)あるかもしれません。恐竜倶楽部の20周年展も企画されてますし、恐竜の魅力をアピールできる場面はこれから何度もあります。

まずは明日。六本木、プレヒストリック祭りのサイン会から!地道にね。



画像が無いのも寂しいので意味の無いオマケを


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『恐竜大陸』の展示より

昔の恐竜映画を紹介するコーナーです。『おかしなおかしな石器人』に登場したデブティラノ(実際映画に使われたもの)が見えますか?


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どうせだからアップにしましょうね。

高山にお住まいの映画評論家(SFXという言葉を紹介したことで有名な)中子真治さん所蔵のものだそうです。